九州大学大学院工学研究院 材料工学部門 堀田研究室

九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所

研究内容

研究の概要

構造材料、機能材料を問わず高度な材料はミクロレベル、ナノレベルで組織が制御されています。組織制御されてこそ材料は高度な特性を発揮するのです。現代社会を支え、未来の高度文明社会を切り拓く材料の開発にはますます厳密な組織制御が必要になっています。

その組織制御には、ミクロレベル、ナノレベルでの組織解析法の発達が必須の条件になります。組織を解析できなければ組織制御はできません。組織制御と組織解析は車の両輪の関係にあります。

わたくし達の研究室では、まず第一に、従来の限界を超える巨大なひずみを材料に加えることによる組織制御に取り組んでいます。この研究テーマは世界的にも注目され、わが国では平成17年度から文部科学省特定領域研究「巨大ひずみが開拓する高密度格子欠陥材料」と して採択され全国的組織で研究に取り組んでいます。また当研究室では、最近のコンピューター技術、センサー、真空技術などの発展により著しく進化し、材料 研究に不可欠な設備となっている分析電子顕微鏡の微小領域定量組成分析手法の開発を中心に分析電子顕微鏡法の改善とその応用、材料の組織制御や高温変形で 重要な役割を果たす金属・合金中の原子拡散の研究などにも取り組んでいます。

巨大ひずみ付与による組織制御

圧延や線引きなどによる加工硬化は基本的な材料強化法の一つとして多くの金属材料で用いられています。しかし、バルク材の加工量には限界があります。一般に、加工すると材料は細くなったり薄くなって、薄板や細線、粉末などになってしまうからです。

最近開発されたECAP(Equal-Channel Angular-Pressing)法やHPT(High Pressure Torsion)法、ARB(Accumulative Roll Bonding)法などによれば、バルク状態を保ったままで材料に巨大なひずみを付与することができます。ECAP法では、同じ断面積を持って交差する2 つの導管の一方に材料を入れ、圧力をかけ試料を押し通し、屈曲部で材料に強いせん断ひずみを与えます。HPT法では試料の上下方向から材料に強い圧力を加 え、上または下の金型を回転させることにより、材料と金型の間の摩擦力を利用してねじり、材料に大きなせん断ひずみを加えます。ARB法は重ねて圧延接合 を繰り返す方法です。

これらの方法で材料に巨大ひずみを付与することにより従来の限界を超える高密度の格子欠陥が材料 中に導入され、同時に組織は微細化されます。つまり、サブミクロンからナノスケールで組織を制御することができます。従来の限界を超える巨大なひずみを材 料に加えることにより、結晶粒が微細化され、強度や延性が大幅に変化し、超塑性特性が発現したり、従来の超塑性特性が大幅に改良されたりします。結晶粒の 超微細化により合金中の原子拡散挙動は大きな影響を受け、また時効析出挙動も変化します。このように、巨大ひずみの付与により従来の限界を超える特性を発 揮するようになったり新しい機能が発現したりすることが期待できます。巨大ひずみを加える新しい方法の開発や、巨大ひずみを加えた材料の特性評価は新しい 未知の研究領域です。

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